公益財団法人 大阪造船所奨学会設立の趣意

設立の趣意

日本を取り巻く経済環境は、ようやく好転を感じさせてきたものの、長らく人材流出を伴う産業の空洞化が続いたうえに、最近の円安影響から一部の大手メーカーを中心に国内回帰論が叫ばれ始め、国内における優秀な技術者不足は一層深刻な課題となっております。

製造を生業とする我々としては、多様化する局面一つ一つに善処しうる優秀な人材の育成は永年の課題であり、更なる科学技術分野の発展とその先進技術を最大限に活かしたものづくりこそが、今後の日本経済を牽引し、また、世界中の人々に「豊かな生活」を提供せしめるものであると確信しております。

しかし、現実は学業優秀でありながら、経済的事由により修学が困難な学生への奨学援助、及び人材育成に対する助成等の事業活動は、まだまだ充分なものとは言えません。このような環境から向学心が旺盛で優秀な資質を持つ人々が、修学の道を閉ざされてしまえば、結果、我が国にとって途轍もない損失を被ることになります。

当財団は、未来の夢と感動を与えてくれるような技術者の成長を願いつつ、理工系学科を専攻する大学生・大学院生への学資援助に関する事業を中心に、永らく日本経済の礎を築いてきた製造業の人材力の強化と科学技術分野の教育・学術研究の発展に寄与することを目的として、設立を行うものです。

平成26年7月14日